2005-03-13

FF02:09 <死の奈落>の罠 前編

そこは宴会ができるほどの無人の大広間だった。
50人は掛けられる長いテーブルが中央にあり、周囲の壁面には絵画、鎧兜が飾られている。

いくつかの通路や扉がこの部屋に通じているものの図書館での資料より
バルサス・ダイアは自分の居室、即ち<黒い塔>を上った先にいるであろうことが推測される。
バルコニーへと通じる左右の階段へと向かう。

右側の階段よりバルコニーに上がる。
三つの扉があるが、そのまま正面にある右側の扉を開けることにした。

中はさまざまな彫像、石像が並んでいる。
中でも部屋の真ん中のガーゴイルが今にも動きそうだと見ていると、
頭が振り向き、目があった。
飾られていた台座から飛び降りるとこちらへと向かってくる。

ゴーレム戦では温存したが、自重が重い敵と戦うときのセオリー<骨抜き>を唱える。
術が効いてくると歩くことも困難なようだ。
それでも這いつくばらない辺りは褒めてやろう。

ぎくしゃく動く石像を迂回して奥の扉を開けた。
通路の先は螺旋階段になっている。
いよいよ<黒い塔>の上部へのとば口にたどり着いたようだ。

罠を警戒しつつ階段を上って行くと踊り場に二つの扉がある。
右の扉をまた選択することにした。

中は誰かの住んでいる形跡はあるものの今は無人に見える。
椅子とテーブル、棚といった普通の家具一式に敷物が見える。
壁には獣の頭がいくつも飾られている。
図がないのでよくわからないが、狩りの獲物の鹿の頭が
壁にかかってるのと同じイメージだろう。

トラップに気をつけながら慎重に歩を進めることにする。
中ほどに差し掛かろうかというときに壁の獣がこちらの方を向いているのに気づく。
かと思うと、大きな声で吠える。
「ワォーン」
犬の類らしい。
犬頭は監視役を務めているらしく、突如周囲があわただしくなる。

犬頭の出方に注意を払っていたがあまりに、背後から襲ってくる
浮き出した敷物の気配を気取れなかった。
バチッと耳の辺りをはたかれよろめく。

振り向くと椅子だったものが長身の男に姿を変えるところであった。
「ここになんの用だ?」
男は尋ねてきた。

「ちょっと道に迷っちゃいまして」
勿論そんなことを信じてくれるような輩ではないが
不意をつかれたので時間稼ぎをする。

「誰の許しを得てここまで来たんだ?」
と言いざま、男はヘビへと姿を変えて、床を近づいてくる。
犬頭も壁から離れてこちらへ寄ってくる。
姉さん、ピンチです!

「そうだ、お邪魔してしまったお詫びの印といってはなんですけど」
変幻自在のこいつらに剣で相手するのは分が悪い。
オシェイマス相手に懲りていなければ手向かっていたところだろう。
ご機嫌取りをすることにする。

懐の隠しから金貨1枚を差し出す。
金貨を見て三体の妖怪はぴくりと動きを止める。
ごくり。息を飲む音まで聞こえてくる始末だ。
まさか食う気じゃないだろうな。

そんなことを考えていると横から目にも止まらぬ速さで金貨をひったくっていく。
三体は近くを囲みつつこう言う。
「もっと寄越すのだ」

まじか。強欲な奴らめ。
まあ、<柳谷>に帰還できればこのくらいの金子はなんとでもなるだろう。
有り金全部を出すことにする。
隠しから全部の金貨を掴むとやけくそ気味に投げつける。
ちょうど3で割り切れる数だ。これで同胞同士争うこともないだろう。
ありがたく思え。

「まだ持っているんじゃないのか。ジャンプしてみろ」
「もう持ってないって。ほら」
ポケットを取り出して裏返す。

金貨が蜘蛛の子を散らすがごとく奪い取られていく様子を
唖然と見ていると妖怪どもが話しかけてくる。
文無しにしたことがわかると満足したようで、
声は先ほどの詰問する声と違い穏やかなものだ。
現金な奴らだね。

「これこれは、よその人よ。われら<ミク>の家によくきた。
贈り物に感謝する。先へ行くなら前方の扉から出るがいい。
だが<ガンジー>らには用心することだ。旅の幸運を祈る」

「そりゃ、どうも」
幸運を祈ってくれたので運点+1。
でもまだ運試しもしてないし、運点は原点から減ってないんだよね、これが。

軽く愛想笑いして、前方の扉から<ミク>の部屋を後にする。
posted by うにーく at 14:05 | ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | バルサスの要塞 リプレイ

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