2005-06-15

GOOD-BYE,HOLLYWOOD:049 フィルムを後生大事に守る訳

話題を変えようとするルパン。
「ま、あれやこれや調べるにつれ、
帝国の反逆者−これは爺様の言葉なんだが−、
奴らの動きもわかったぜ」
「結局、アメリカに移り住んだ奴らにとって第二次大戦が幸運の第一歩となったらしい。
アッシュフォードは戦時PR映画や記録映画で軍と結びついた。
あいつ、ちゃっかり、このグローバル映画へ潜り込んでたんだ」
「マードックは、武器の知識なんぞを生かして軍需物資や兵器の調達で、
一儲けしたらしいな。
戦後は、このグローバル映画を隠れミノに、中古兵器の密輸出で荒稼ぎしてるようだ。
当然、アッシュフォードの手引きでな」

「で、カールゼンって奴は?」
次元が尋ねる。
「どうやら他の二人の後押しで、政界に進出したらしい。
戦争で金儲けをたくらむ奴にとっちゃ、
権力者の友人は、またとない武器だからな」
「同じ穴のムジナってワケだな」
「あ、いや、そうでもないんだ。コレが」
ルパンがこれまでの経緯からの推測を話し出す。

「どうやらカールゼン上院議員にとっちゃ、
いまさら昔の仲間とはつき合えないらしいぜ。
なんせ次期大統領候補だもんな」
「なあ、次元。
アッシュフォードの奴ァ、なんでこうまでして、
この古フィルムを大事に守り通してると思う」
「そりゃ、お前、さっきルパン帝国の切り札だって言ったじゃねェか。
それに現に、ルパン、お前だってこうして奪いに来てるし……」
言いながら、説得力を感じなくなったのか徐々にフェードアウトする次元。

「だってなァ、次元。
爺様も親父も、もう死んじまってるんだぜ。
しかもルパン帝国だって、今の俺とは何の関係もねェ。
まるで暗黒街のPTAみたいなもんだ。
こんなフィルムの一本が、何の役に立つってんだ」
その時、気配を感じるルパンたち。

2005-06-15

GOOD-BYE,HOLLYWOOD:048 瞼の母

「しかし、ルパン。
お前なんだってそんなに詳しく事のてんまつを知ってるんだ」
「それはな、次元。爺様の備忘録を読んでわかったんだな、これが」

「ほら、もうだいぶ前にデパートの美術展会場から爺様の遺品を盗んだ、
いや取り戻したことがあったろう。
なんとかっていうフランスの警部の鼻を明かした時のことよ」
「でな、手には入れたものの、
あちこち暗号で書かれてあるし大した価値もないだろうとタカくくって、
ロクに読まずに置いといた。
ま、それを最近になって解読したってわけ」
「おいおい、ルパン。水臭いぜ、俺にゃ何も言わずによ」

「俺にゃ、ナチス・ドイツの黄金の埋蔵場所がわかるだの、
イスラエルの諜報機関が追ってる幻のフィルムだの言ってやがって」
「まあまあ、次元。
俺もこうして、ここでフィルムを見つけるまで確証も自信もなかったってわけよ」
両親の姿を見てみたいだなんて恥ずかしくて言えるはずがないのをごまかすルパン。

「ウム、瞼の母だな。ルパン!」
五右衛門にするどく核心に切り込まれ、闇の中動揺するルパン。

2005-06-15

GOOD-BYE,HOLLYWOOD:047 こいつを公開したらさぞ大変でしょうな

「ルパン帝国のアメリカ進出についちゃ、
組織ン中にも、いろいろな野望が渦巻いていた。
ま、頭角を現す絶好の機会だってんで中堅幹部から裏街のチンピラまで皆、
眼をギラギラさせてたってことだ」
「爺様は薄々気づいてたから、
それだけに息子のふがいなさに腹が立ったんだろうな」

「ルパン二世の絶縁と混乱に乗じて、
そいつらが帝国の力を横取りしてアメリカ進出を果たしたんだな」
「それがカールゼン、アッシュフォード、マードックの三人ってわけだ」
映画にさきほど出てきた三人組だ。

「その通りだ、次元。
奴らは爺様の命令に背むき、この世界に最初で最後のルパン二世主演映画を、
自らの掌中に収めちまったのさ。
これには爺様も困ったらしい。
あいつらときたらフィルムを盾にルパン帝国の無償の後押しを要求し、
まんまとアメリカの暗黒街進出を有利にしちまったんだからな」

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