2005-03-12

FF02:07 レプレコーンのオシェイマス

通路は幾度かの曲がり角を経て上り階段へと通じていた。
階段を上り通路を進むと行き止まりだ。
壁を調べてみる。岩陰に隠された短いレバーが見つかる。
軽く引っ張ると前方の岩壁が割れる。
通り抜けると後ろの割れ目は元に戻る。
前方の扉にはカギがかかっているので体当たりで突破を試みる。
2度目のトライで、扉の真ん中が裂ける。豪快に蹴破り中に突入。

そこは円形の大き目の部屋だった。
テーブルの上に眠りながら浮かんでいる1メートル足らずの小男がいる。
「寝ながら浮いてるなんて器用な奴だ」

ギシッときしむ音が聞こえたので慌てて振り向くと投石器で顔面めがけ
何かが飛んでくるところだ。
咄嗟に<防御>を発動させる。

べちゃ。見えない壁にぶちあたり真っ赤に砕ける。
危機一髪事なきを得たわけだ。
「なんか、美味そうな臭いだな」
赤い残骸を指で掬ってなめてみると完熟トマトであることがわかる。

一方、小男が眠り(本当に寝ていたかあやしい物だが)から覚めて動く気配がする。
注意深く小男に近づくと、片方だけ目を開けてじっとこちらを観察する。
突然大きくにたっと笑ったかと思うと姿を消す。

「おはようさん!」
背後で相変わらずにやにや立っている。
「あっしはレプレコーンのオシェイマスでさ!」
レプレコーンとはアイルランドの靴屋の精のことだ。
ちなみに洋書では註書きがされていないところを見ると割とポピュラーな存在らしい。

握手を求めてくるが剣を抜いて軽く牽制する。
レプレコーンは剣に目を見やると剣は柄から重力に負けだらりと曲がってしまう。
この剣、元に戻るんだろうか。
こいつは敵に回しては厄介な存在だ。友好的な態度を振舞うように方針転換する。
剣を降ろして道を尋ねることにする。

「この先はどちらに通じているんだ?」
「あっしならこっちへは行かないがね」
オシェイマスは続けた。
「感じが良くないんだ。先へ行くというならこの三つの扉しかない。
このうち二つはものすごく危険だし、残る一つは臭いのなんのって」
奥に三つの扉が見える。
それぞれ把手が真鍮、赤銅、青銅で出来ている。

もう少し情報を引き出すことにする。
「あんたが行くならどの道だ」
「あっしなら、どれにするかって?」
レプレコーンはしばらく考え込むとこう言った。
「そうだな…… あっしなら銅の把手の扉から左へ二つ目の扉は避けるし、
青銅の把手の右側のもやめとくな」
わざと分かりにくく言って混乱させようとしているのが見え見えだ。

せっかくだから俺はこの赤の扉を(ry
扉を通り抜け暗い廊下へと踏み出していく。

前触れなく目の前で光の爆発が起こる。
光の洪水で何も見えなくなるが、ただ低いうなり声のみが聞こえる。
襲撃に備え低く構えるが、見えぬ敵は一声吠えると足に喰らいついてくる。
「やりやがったな」

犬系の獣と判断。最大の武器、牙を噛み付かせたままでは新たな攻撃に移れないはずだ。
見えぬ敵の動きもいまや足周辺にいると捕捉出来ている。
痛みに耐えつつ斬りつける。
「このやろぉ」

しかし、剣は敵があるべき位置を斬るのだが実体がないのか手ごたえが全くない。
空しく空を切るばかりだ。
「くっそぉ」

お師匠さん、すまない。もう駄目だ。
好物の焼きビーフンがもう一度食べたかった。
敵は今度は首めがけ牙をつきたてる。
君は任務に失敗……








あれ、痛くない。
気がついて辺りを見回すと周りはさきほど出てきたレプレコーンのいた部屋だ。
足は痛みはあるものの傷は見当たらない。

浮かんでいるレプレコーンが笑い出す。
悪戯者にいっぱい担がれたのだ。

「この野郎、全部貴様の仕業か」
怒ってみたがあまりにうまく騙されたことと
オシェイマスがあまりに笑い転げているのににつられて笑い出してしまった。

「あーあ、おかしかった。からかって悪かったな」
「あんたのその目くらましの能力はさすがだ」
「あんたはまったく話がわかる。
だが、この先は危険だらけだぜ。
これがありゃ少しは助けになるかもしれん」

手をひとふりするとテーブルに剣と皿が置かれる。
剣は魔法剣で攻撃力の賽の目に一点加えることができる。
皿は手にとって見ると丁寧に細工された銀の鏡であることがわかる。
この二つの品をありがたく頂戴してこの部屋からお暇することにする。
今まで使っていた剣は置いていく。

「助かるぜ。じゃあな」
せっかくだから俺はこの赤の扉を(ry
posted by うにーく at 19:14 | 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | バルサスの要塞 リプレイ
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