2005-06-18

GOOD-BYE,HOLLYWOOD:079 五十年前のパリ

「じゃあ、どうしてだ?」
言い訳は沢山だと言いたげに問い詰めるルパン。

「どうして親父を裏切ったんだ」
「テレーズだ!!」
大統領候補は心中を吐露するかのように叫ぶ。

「テレーズのせいなのだ」
「テレーズ?」
「君の母上だ」

動揺するルパン。
「おふくろが……」
「私はテレーズを愛していた。
だから、君の父上が、私からテレーズを奪ったことが許せなかったのだ……」

「たとえ君の父上が、私からありとあらゆるものを奪ったとしても、
私は怨みもしなかっただろう。
私は君の父上を心から尊敬していたのだから……。
だが、テレーズだけは例外だった。
私は心底、君の父上を呪ったのだ」

ルパンはこの言葉の真贋を確かめる術を持ち合わせていなかった。
なにしろ、母親の名前がテレーズだったかすら知ってはいないのだから。

そういや、ルパンって日本人の血が混ざってるような話を聞いたことが
あるような気がするけど、テレーズがまさか日本人の名前とも思えないし
ハーフじゃなくクォーター?

この話自体がアンオフィシャルなのかもしれないけど。
一応、双葉社の出版物だし、版権表示もきちんとクリアしてるわけだが。


フィルムを捜すきっかけとなったアルセーヌ・ルパンの備忘録にも
母親の名前は出てこない。
使われているのは『あの小娘』『可愛い小悪魔』などという
符牒のようなものばかりだった。

しかし、ルパンはこの老人が嘘を語っているようには見えなかった。
五十年も前のパリ。いろいろなことがあったろうな。
そう思うだけであった。
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