2005-06-21

902-1 BTTF:013 馴れ初めのお邪魔虫

マーティはベッドで目を覚ます。
なんてリアルな夢なんだ。

過去にタイムトラベルなんて映画や小説じゃあるまいし。

ん、ベッドの横に誰かいるのか?
「どうしたの? なにをうなされていたの?」
「ちょっと悪い夢を見ていてね。
昔の世界に時間旅行して帰る方法がなくなって途方にくれてるなんて夢さ」
「さあ、もうだいじょうぶよ。
あなたは1955年に戻ってきたのだから」

良かった。戻ってきたんだ。
1955年に。

1955年?

布団を跳ね除けるマーティ。
心配そうに語りかけていたのは先程父に着替えを覗かれていた女性だった。

「だいじょうぶ? 頭を強く打ったみたいだけど」
「あ、あなたは?」
「わたしはロレイン・ベインズよ、カルバン・クラインさん」

ロレイン? 母親と同じ名前。
昨晩の食卓の会話を思い出すマーティ。

『おとうさんがおじいさんの車にひかれて、
それを介抱しているうちに一目惚れしてしまったんだよ』
一目惚れの対象が父ではなく自分になってしまうのではないか。
一体どうなるんだ。

とりあえず、妙な誤解から解いておこう。
「ぼ、ぼくはカルバン・クラインではないよ。
ぼくの名はマーティだ」
「あら、でもあなたのパンツにカルバン・クラインって書いてあったわ」

牧歌的な時代にはまだパンツにブランド名など入っていなかったのかと
変なところに感心するマーティ。

でもなんでパンツのことなんか知っているんだ? 彼女は。

マーティは自分がズボンを履いていないことに気がつく。
「ど、どうしてぼくはズボンをはいていないんだろう」
「あら、わたしが脱がせたのよ」
何のために? マーティも母親も顔を真っ赤にする。

「隣に行ってもいい?」
母は尋ねるが、答えなど待たずに隣に座る。

『おかあさんが若かった頃には、
決して女のほうから男にモーションをかけたりするようなことはなかったわ』
どの口がこんな台詞を言うんだ。あきれるマーティ。

しかし、蛇に睨まれた蛙の如く若き母の魅力に抗えないマーティ。

母の顔が近づき、唇同士が触れ合おうかというとき、
階下から声がする。
「ロレイン! ご飯よ!」
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/4502778
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。